ガモウ関西 映画通、なっかんコラムVol.4

2018.06.05 Tuesday

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    監督 塚本晋也

     

    2016年公開の「シン・ゴジラ」、話題になりましたね。

    エヴァンゲリオンの庵野英明氏が総監督を務め、全キャストが328人、著名な俳優やミュージシャン、映画監督などがチョイ役で出演しており、その出演シーンを探すのも楽しかったりしました。

    その中で主要人物である生物学者・間邦夫准教授を演じたのが、塚本晋也氏です。ゴジラ対策本部で首からタオルを掛け、いかにも学会の異端児という雰囲気の学者を演じられていました。

    最近の出演作でいうと、2017年公開のアメリカ映画「沈黙−サイレンス−」にも出演されています。

    この作品は日本の作家、遠藤周作氏の「沈黙」をアメリカで映画化した作品です。

    江戸時代、キリスト教徒弾圧が厳しい長崎にポルトガル人の宣教師が師を探しに訪れ、厳しい状況の中で自身の信仰心と対峙するというお話です。

    この作品で、塚本氏は隠れキリシタンのモキチ役を演じました。この役を演じる際、役作りの為に自身の体重を40キロ台に落とし撮影に挑まれたそうです。

    作品を見ると、当時の農民の過酷な状況をこの塚本氏の演じるモキチのやせこけた肉体が物語っていました。限界まで体重を落とし、熱心なキリスト教信者を演じられ素晴らしい演技でありました。

    このように、役者として多数の映画に出演され活躍されている塚本氏ですが、実は俳優よりも映画監督として世界に名が知れています。

    彼の作品は日本のみならず、海外にもファンは多く、アメリカの映画監督で、キル・ビルやパルプフィクション他の作品を監督した、Q.タランティーノ氏もファンの一人ですし、前述しました「沈黙−サイレンス−」の監督である巨匠マーティン.スコセッシ氏も彼は素晴らしい映画監督だとインタビューで答えています。

    1997年、北野武監督の作品「HANA−BI」がベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞して当時は大変話題になりました。この時の審査員の一人が塚本晋也監督なのです。日本では熱狂的なファンはいるのですが、あまり一般的に知られた監督ではありません。

    しかし映画界では、映画祭の審査員を務める程、彼の作品は評価されており名が知れた監督なのです。

     

    そんな塚本晋也監督作品の代表作は、1989年公開の「鉄男」です。

    この作品は塚本監督の劇場公開第1作です。制作費1000万円で少数のスタッフで製作されました。塚本氏が監督・脚本・美術・照明・特撮・編集とほとんど自分でこなされています。

    この作品はモノクロの作品で、主演は最近ではドラマ、「バイプレイヤーズ」にも主演されており、NHKのプロジェクトXのナレーションでもおなじみの田口トモロヲ氏が務められています。

    ストーリーは、体がだんだん鉄に浸食されていく男が、自分をそんな体にした「やつ」と対決するといった内容です。

    コンピューターグラフィックに頼らないスピード感溢れるコマ撮りの映像が魅力で、カラーではなくモノクロの映像が、無機質な鉄のメタル感を増長しています。

    何より、この作品から溢れ出るパワーというか、熱量がすごいです。作品に圧倒されるといった感覚になります。

    ただ、好き嫌いがはっきり分かれる作品だと思います。万人が楽しめる作品ではありません。

    インディーズならではの世界感、結構グロテスクな表現、丁寧に説明されないストーリー等、一般受けはしない要素はたくさんあります。

    ただ、熱狂的なファンが世界中にいる様に、好きな方はとことん好きになり塚本信者になることでしょう。

    この鉄男はシリーズ化されており、1992年公開の「鉄男供廖△修靴徳以啀儻譴2010年公開の「鉄男 THE BULLET MAN」と3作あります。続編ではなく、個々独立した作品となっております。

    興味がおありの方は一度、世界の塚本ワールドを体感してください。

    ご清聴ありがとうございました!

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