ガモウ関西 映画通、なっかんコラムVol.7

2019.02.20 Wednesday

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    アレハンドロ・ホドロフスキー

     

    「カルト映画の巨匠」という異名を持つアレハンドロ・ホドロフスキー監督。2019年現在、90歳になる映画監督です。

    最近では、2016年に「エンドレス・ポエトリー」と言う作品を撮っています。

    彼は「シュール」という言葉の語源でもある「シュールリアリズム」という前衛的な芸術活動をしていました。

    そのため、彼の作品はアンダーグラウンドな作品で、前衛的で賛否両論の問題作ばかりです。

    過激な描写が出てきますし、宗教、政治、性、差別など、商業映画ではタブー視されているようなテーマを独自の視点で切り取り、興業収入は考えてない自由な作品が多いです。

    また、映画だけでなく、俳優や、コミックの原作者としても活躍されています。

    ホドルフスキーの作品を観る時に気をつけなければいけないのは、夜中、家族が寝静まってから1人で観る事です。

    HDVDを観るのと同じくらいの注意を張らなければなりません。

    家族でみようとか、恋人と、まったり見ようとか、決してその様には思わないでください。

    大変な事になります。

    ただ、残酷さの中にある画の美しさや、世界観には圧倒され、こんな映画もあるんだ!と魅せられるのも事実です。

    ジョンレノンやミックジャガー、アンディ・ウォーホール、日本では「劇団天井桟敷」の寺山修司氏、「ジブリ」の宮崎駿氏、「AKIRA」の作者、大友克洋氏などが彼の作品のファンです。

    この顔ぶれを見たら、一癖も二癖もある方々に人気がある映像作家だなと思われる事でしょう。

    それほど、クセが強い作品ばかりなのです。

     

     彼の出世作は1970年公開の「エルトポ」いう作品です。

    この作品は、メキシコ映画で、彼の第2作目となります。

    1作目はメキシコで上映後、内容の過激さから暴動を誘発する事態となり上映禁止になります。

    そのため「エルトポ」はアメリカの小劇場の深夜上映のみで上映されました。

    その後、徐々に話題になり、この作品を観たジョンレノンが大絶賛し、この作品とまだ創られてもいない次回作の配給権を購入し、全米公開となりました。

    ここまでは、昨年の「カメラを止めるな!」の様な印象を受けるでしょう。

    しかし、この作品は全米公開後、あまりにショッキングな内容の為、3日間で打ち切りになってしまいます。

     

    そして、ジョンレノンに100万ドルという資金を提供してもらい、「ホーリーマウンテン」を発表します。

    こちらも過激な作品で物議を醸す作品となりました。

    後に、ジョンレノンの事務所のマネージャーと撮る映画について対立し、「エルトポ」と「ホーリーマウンテン」はこの後、30年配給してもらえず、観る事のできない伝説の映画となってしまいます。

     

    その後、彼の元にSF大作「DUNE」の監督の話が舞い込んできます。

    彼は、各ジャンルから先鋭のスタッフ達を集めます。出演に、画家のサルバドール・ダリや「市民ケーン」のオーソンウェルズ、Rストーンズのミックジャガー、音楽はピンクフルイドなど、聞くだけでわくわくする面々です。

    しかし、諸事情により作品は頓挫し、この企画はなくなります。

    この時の「DUNE」の始まりから制作中止まで、そして、後の映画界に与えた影響についてを撮ったドキュメンタリー映画「ホドロフスキーのDUNE」という作品が後に作られます。

    ちなみにこちらはホドロフスキー監督作ではございません。

    その後、「DUNE」はデビット・リンチ監督(なっかんコラム第1回ご参照くださいませ!)によって映像化されました。

     

    1989年に初めて商業映画を意識して製作した「サンタ・サングレ/聖なる血」を発表します。

    カンヌ映画祭で評価され、話題になったのですが、こちらも過激な内容の為、興業的に振るわず、その後、映画製作から遠ざかります。

    そして、2013年、自身の幼少期を描いた23年ぶりの新作「リアリティのダンス」を発表し、続編の「エンドレス・ポエトリー」を2016年、88歳の時に発表します。

    こちらの2作は初期の作品よりかはマイルドになっています。

    とはいえ、ホドロフスキーワールドは健在です。

     

    今年で90歳になられますが、昨年フランスのクラウドファンディングで新作の制作費の支援を呼び掛けたり、「エルトポ」の続編、「エルトポの息子」の制作の準備をしているという話題があったりと、まだまだ精力的に作品作りをされています。

     

    もし、映画を観ても何か物足らない作品にしか出会えてない方、アングラ作品がお好きな方でご興味のある方は、まず動画サイトで予告編をご確認ください。

    これはパッチテストと同じで、嫌悪感を抱かれた方はホドロフスキーアレルギーの為、すぐにご鑑賞をお止めになって、美しい自然の風景や絵画をご鑑賞ください。

    予告編を観て、興味を持った方は本編へお進みください。

    そしてホドロフスキーワールドをご堪能くださいませ。

     

    ご清聴ありがとうございました!

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