ガモウ関西 映画通、なっかんコラムVol.8

2019.04.23 Tuesday

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    「ロシュフォールの恋人たち」

     

    日中は暖かくなり、やっと春を感じられる季節になりました。春になると、ついつい唄を口ずさみながら、踊りだしたくなってしまいますよねえ、って事で、今回はミュージカル映画を紹介したいと思います。

     近年では、昨年公開作品の「グレイテスト・ショーマン」や、2017年公開作品で、第89回アカデミー賞で史上最多タイの14部門ノミネート、そして6部門受賞した「ラ・ラ・ランド」など、毎年良質なミュージカル映画が公開されており、ご覧になった方も多いのではないでしょうか?

     今回、ご紹介するミュージカル映画は「ロシュフォールの恋人たち」です。この作品は、1967年公開のフランス映画で、監督はジャック・ドゥミ、音楽は、映画音楽界の巨匠で、米アカデミー賞3回、グラミー賞5回受賞し、惜しくも今年の1月にお亡くなりになったミシェル・ルグラン、主演は、カトリーヌ・ドヌーブとフランソワーズ・ドルレアックです。この主演の2人は、双子の姉妹役として出演しているのですが、実際でも1つ違いの実の姉妹です。本当の姉妹とあって顔もよく似ています。2人ともブロンドの髪なのですが、姉妹の違いをつける為、お姉さんのドルレアックは、髪の色をブラウンに変えています。

    1964年に監督ジャックドゥミ、音楽ミシェル・ルグラン、主演カトリーヌ・ドヌーブで「シェルブールの雨傘」という作品が公開され、第17回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞します。この作品は、地のセリフがなく、すべてのセリフを音楽に乗せて唄っています。しかし、出演者は歌がイマイチだった為、すべて歌手の吹き替えになっています。そんな映画として画期的な形式と、ルグランの主題曲の大ヒットにより、「シェルブールの雨傘」は興業的にも成功を収めます。ジャックドゥミ監督が「シェルブールの雨傘」の次に撮ったのが「ロシュフォールの恋人たち」です。

    「シェルブールの雨傘」は悲恋の物語で、切ない恋愛ドラマなのに対し、「ロシュフォールの恋人たち」はポップな恋愛ドラマです。どちらもいい映画なのですが、春に見るには「ロシュフォールの恋人たち」がいいのではないでしょうか。

     この作品の見どころといえば、やはりカトリーヌ・ドヌーブとフランソワーズ・ドルレアックの姉妹だと思います。2人で双子姉妹の歌を歌いながら踊るシーンは個人的に大好きなシーンです。パステルカラーの衣装で唄う2人はとても魅力的で、その昔、私はこの曲をガラケーの着メロにしていました。それくらいお気に入りのシーンです。

    しかし残念なことに、この作品が、姉妹で共演した最初で最後の作品となってしまいます。お姉さんのフランソワーズ・ドルレアックがこの作品の撮影後、交通事故により25才の若さでこの世を去ってしまうからです。

     

     監督のジャックドゥミは豪華メンバーで本格的なミュージカルを撮りたいという目標がありました。

    「シェルブールの雨傘」の大ヒットにより、それが実現します。アメリカから、「雨に唄えば」の主演を務めたジーンケリーと、「ウエストサイド物語」で助演男優賞を受賞したジョージ・チャキリスを呼びます。ジーンケリーはさすがの存在感で、スター感が半端ないです。ドルレアックとのダンスシーンも見逃せません。主演は当初オードリー・ヘップバーンとブリジット・バルドーというトップ女優2人にオファーを出していたそうです。しかし、オードリーが断ったため、ドヌーブ・ドルレアック姉妹になったそうです。ヘップバーン、バルドーも見たかったですが、個人的にはこの姉妹でよかったと私は思います。

    この作品を紹介するうえで、やはり、ミシェル・ルグランの音楽は欠かせません。公開から何十年たった今でも、車のCMでこの映画の曲が使われています。やはり、いい音楽は年月が経っても色褪せないという事を証明しています。

     また、衣装や美術の色使いもこの作品の魅力の1つです。ジャックドゥミ監督はカラフルな色の使い方が素晴らしく、作品をより魅力的に仕上げています。

     

    「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督は「ラ・ラ・ランド」はジャックドゥミ監督作品の「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」から影響を受けたと公言しています。

    「ラ・ラ・ランド」では「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」のオマージュが散りばめています。「ラ・ラ・ランド」がお好きな方は「ロシュフォールの恋人たち」も気にいっていただけると思います。「ラ・ラ・ランド」をまだ見てないという方は、ジャックドゥミ監督作品をご覧になってから「ラ・ラ・ランド」を観るとより楽しめるのではないでしょうか?新旧のミュージカルを見比べてみるのも面白いと思います。ご興味のある方は1度ごらんくださいませ。

     

    ご清聴ありがとうございました!

     

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